2025年度スローガン
理事長所信
【 はじめに 】
私がこの生まれ育った地域に戻ってきたのは約8年前のこと。当時は仕事や地域に慣れるのに精一杯でした。そしてその2年後、一般社団法人いわふね青年会議所に入会することとなり、入会当初は意味も分からず会議に出席していましたが、そこには熱い想いを持っている方、奇抜な考えを持っている方などがいて、私からしたら衝撃でした。また事業を展開すると、多くの外部団体や関係者と出会いつながり、そしてこの村上市・岩船郡の今まで知らなかった魅力に触れ、知ることができました。活動や経験を通じて、私の中で少しずつ青年会議所やこの地域に対する考え方に変化が起きてきました。また私が入会して数年の間に、時代の流れからこの地域にも変化が起こっています。青年会議所とは歩みを止めない団体です。地域を想う者たちが集い、英知を集め、地域の未来のために活動を展開しています。時の変化に恐れることなく対応し、寄り添い、本質を見極めつつ、地域の発展のために一歩一歩邁進していきます。
【 地域の可能性 】
私たちの活動エリアである村上市・岩船郡は、新潟県内でも広大な面積を有し、海・山・川と素晴らしい自然がたくさんあります。また様々な特産品や美味しい食事と、県内外に誇れる面を多く持ってます。村上市・岩船郡は1市2村からなり、村上市においては2008年4月に旧5自治体が合併して成り立ちました。そんな昔の名残もあってか、それぞれの地域ごとには違った色が垣間見えます。覗いてみると、それぞれその地域特有の伝統や生活様式の違いなどと、様々な個性が見えてくるはずです。そんな、個性豊かな地域がひとつになったとき、この地域にどんな化学反応が起きるだろうか。そんな新たな化学反応は、この地域の新しい魅力を生む可能性を秘めていると思います。魅力の多さや内容の濃さは、私たちが住むこの地域の将来的な発展への可能性へと繋がると考えます。未だ見ぬこの地域の新たな魅力と可能性の発見を求めて、私たちは進んでいきます。
【 子供たちの成長と未来の可能性 】
子供たちの存在は、その地域の未来そのものである。そう言っても過言ではありません。全国的に見て子供の数の減少が続いている昨今ですが、ここ村上市・岩船郡においても例外ではありません。近年では、小中学校の更なる統合も進められていく計画もあります。また昨年には「消滅可能性自治体」に村上市、関川村、粟島浦村が該当するといった報道もありました。人口減少に歯止めが効かず、私たちの生まれ育ったこの地域が消滅に近づいていってしまうと思うと、非常に悲しく寂しい気持ちです。
子供たちの中には将来地元から離れて、夢に向かって頑張る子供もいるでしょう。しかしその反面「故郷」を選択肢として考える子供もいるはずです。ならば我々はその「故郷」について、子供たちに感じ、知ってもらうべきではないでしょうか。生まれ育った地元を想う郷土愛の醸成を促す活動は、この地域の未来に繋がることだと考えます。
子供という存在は無限の可能性を秘めています。子供たちの成長の過程で、この地域の未来へつながるよう、健全な青少年育成事業を目指して活動していきます。
【 つながりを求めて 】
1988年、この地域のために日本海沿岸東北自動車道(日沿道)の早期全線開通を願い、新潟、山形、秋田、青森の沿線にある青年会議所が日本海夕陽ラインネットワーク協議会を結成しました。当時は20の青年会議所が在籍していましたが、一部区間開通やコロナ過を経て、今では新潟、山形の2県で関係する青年会議所のみとなりました。新潟県側では朝日まほろばIC~あつみ温泉IC間の約40kmの開通工事が2013年に事業化が決定され、当初は開通時期が事業化からおおむね10年以内とされていましたが、10年以上経過した現在も開通はされていない状況です。日沿道全線開通は、日本海側の経済発展のためにも必要なものでありますが、観光振興、災害対策道路といったあらゆる面で、全線開通がこの地域にもたらす効果は多くの可能性を秘めています。これまでも先輩諸氏が想いを繋ぎ、活動を行ってきましたが、ここ数年ではコロナ過での影響もあり、大きな活動はできませんでした。そんな多くの可能性について、繋がった先の未来を見据え、今一度みんなで考えることも必要ではないでしょうか。これまで行ってきた活動を見返し、多くの人から様々な意見を聞き、みんなで考え共有する場を作っていきます。全線開通に向け、これからも継続して必要なものは必要であると声をあげ運動をしていきます。
【 他団体との繋がりを大切に 】
私たちは時代の変化に時には順応しながら、時には抗いながら、地域の未来を考え活動を展開しています。私たちの活動エリアには多くの諸団体が存在しています。それら多くの団体との共通点は、地域を想い活動を展開していることだと思います。私たち一般社団法人いわふね青年会議所は、多様な場面で多くの諸団体と繋がってきました。これからも、互いに切磋琢磨し合いながら、様々なパートナーと絆を大切にし、連携して地域の課題解決に取り組んでいきます。
【 新たな同志を求めて 】
一般社団法人いわふね青年会議所では2010年に50人という会員が在籍していましたが、ここ数年間入会者の激減が続き、40歳になったメンバーが卒業していき今では4分の1程度の人数となってしまい、現在は在籍年数の浅いメンバーがほとんどです。青年会議所の特徴として、様々な業種や立場の人たちが集まり、事業を構築・展開していきます。事業を通して知識を得て、経験を積み、個々として団体としての成長へつながります。事業展開には知識や経験の豊富さは不可欠ではあり、絶えず地域のための取り組みを発信していかなければなりません。そのためにも、メンバー一人ひとりの輝く姿を見せ発信し、共に成長し合い社会に貢献するという理念の共感を得ることで、一人でも多くの志を同じくする仲間を見つけ集めていきます。
【 より良い地域づくりのために 】
この地域に寄り添いながら活動を続けてきた我々ですが、未だに存在を認知されていないと感じることがあります。類似した団体と間違えられること、存在すら初めて知られること、また活動内容の妥当性を疑問視されることさえあったりと、悔しい現実を目の当たりにすることもあります。しかしながら、活動に関わった関係者からは理解や共感、激励の言葉をいただく場面もあります。この広大なエリアで活動するうえで、私たちがこの地域を想うように、地域からの理解や協力を得なければならず、必要とされる団体でなくてはなりません。それにはまず我々の存在を知っていただくこと。もっと地域に目を向けて、確かな目に見える活動を通じていわふね青年会議所という存在を知ってもらいます。
【 結びに 】
私は2021年度に委員長の職を経験させていただきました。分からないながら精一杯考え、濃密な1年を過ごしました。辛く大変な時もありましたが、背中を押してくれる仲間がいたから頑張ることが出来ました。その年の終わりの懇親の場で、大粒の涙を流したことは今でも忘れられない思い出です。不備や間違いは多々ありましたが、やり遂げたという自負があるから、自然と涙が出たのだと思います。青年会議所だからこそ、そんな経験を積むことが出来ました。青年会議所は20歳から40歳までの青年が集い、明るい豊かな社会を目指して、様々な活動を行う団体です。20歳から40歳までの青年という未熟な時期にしか経験できないことがあります。未熟さがあるからその先に成長がある。この所信を書いている私もまだまだ未熟です。メンバー一人ひとりと共に歩み、成長を遂げていきます。
一般社団法人いわふね青年会議所は設立から58年もの歴史を歩んできました。まだまだ私たちは歩みを止めてはいけない。私たちの活動に誇りと覚悟を持って、メンバー一丸となり未来を切り開いていきます。
発見と発信・ふるさとの継承者委員会
<基本方針>
私たちの住む村上市・岩船郡は、生活文化やお祭りなどをはじめ、食や自然景観など素晴らしい地域資源があります。一方で人口の減少等により、これらの地域資源を保存・継承していくことが困難になっている状況が見られます。そうした状況をただ悲観するのではなく変化と捉え、関係人口や交流人口といった間接的な人口を増やすことが求められています。それにより、この地域の地域資源の持続可能性と魅力をより高め、間接的、直接的な人口を増やす好循環に繋げていくことが期待できます。
今の日本は、村上市・岩船郡を含めどこの地域も、“そり立つ壁”のような様々な課題に直面しています。特に、地方ではその課題がさらに深刻で、都市部集中や少子高齢化、地域コミュニティの希薄化など、魅力を豊富に持っているはずの地方がより疲弊してしまっています。しかし、一見登れないように見える“そり立つ壁”も、登れない壁ではありません。力任せに登るのではなく、コツをつかめば登ることができます。地域が直面する様々な課題も、柔軟な発想や多様なアイディアで解決することができるのではないかと考えます。そこで重要になるのが地域資源です。私たちは、地域資源を活用し、地域の内外の人たちにその魅力を共有してもらいます。地域にいれば当たり前のようにある魅力を、地域の中の人は再発見し、地域の外の人は新発見してもらうことで、地域の諸問題をクリアする第一歩となるよう事業を構築していきます。
私たちの住む地域の資源を保存・継承していくため、地域を知り、発見し、発信することで、地域と住む人たちのためになるよう活動していきます。なにより私自身もこの地域の資源に十分に触れてきませんでした。事業を通じて地域資源の魅力を感じ、魅力を発信できるようになりたい。住んでいる地域、お世話になっている地域だからこそ貢献したい、恩義に報いたい。そして私たちのベストプレイスだからこそ知ってほしい。「愛がなければスーパーヒーローじゃないのさ※」―愛するふるさとだからこそ私たちは、スーパーヒーローになれるよう日々邁進します。
※引用元(キン肉マンアニメ40周年記念「超キン肉マン主題歌集」日本コロンビア 作詞:森雪之丞)
希望の灯り委員会
〈基本方針〉
全国的に少子高齢化が深刻な社会問題として取り上げられていますが、我々の活動の拠点である村上市・岩船郡においても例外ではありません。出生率の低下に伴い、地域の将来を支えてくれる子供が年々減少している現状です。
また、少子高齢化と併せて地方都市を脅かしているのが労働人口の都市部一極集中化です。高校生まで故郷で暮らし進学や就職でそのまま故郷を離れる人が多くなっています。
これら2つの課題を抱えているこの地域が今以上に豊かな暮らしを築き、持続可能な社会を形成することが可能でしょうか。現在、行政が施策として子育て支援や地元定住支援等を実施していますが、若い世代が地元に残ってもらうためには子供の頃から自分たちが生まれ育った地域の魅力や良さを感じ、この地域で暮らしていきたいという想いを醸成することも重要だと考えます。
幼い頃は自身の地域しか知らず外に対する関心が低いため故郷を離れることを考える人は少ないと思いますが、成長するにつれ、外への関心が高くなり故郷への関心が低くなる人が多いのではないでしょうか。そのような成長過程の子供たちに対して事業を通じて自分たちの故郷の魅力や良さを感じてもらい、進学や就職で外へ出たとしても故郷へ戻るという選択肢を潜在意識として芽生えさせる機会を与えたいと思います。伝統や文化だけではなく、暮らしや環境といった自分たちが将来生活する際に判断基準となる部分に対しても故郷の良さを感じ、暮らすことがイメージできてこそ選択肢として挙がるものだと考えます。
当委員会では事業実施により故郷を思う気持ちを醸成し、生物が本能的にもっている帰巣本能を感化させ、故郷へ帰ってくる子供たちを増やすことで地域の活性化を目指します。しかしながら、故郷に戻ることを選択しない子供たちもいるはずです。そのような子供たちに対しては、自分たちの地域を知ることで改めて魅力を再認識してもらい、離れていても故郷を応援する気持ちを育んでもらいたいと思います。
いわふね青年会議所が目指す「明るい豊かな社会」「持続可能な社会」を実現するためには子供の成長が必要不可欠です。故郷を想う気持ちを育むことで成長を促し、将来的にこの地域を照らす希望の灯りを増やすことを目標に掲げ、委員会を運営してまいります。
広報・事務局
<基本方針>
本年度、一般社団法人いわふね青年会議所はメンバー12名のスタートとなります。人数が少ないからこそメンバー一人ひとりの役割がより重要となり、これまで以上に団結力、組織力の向上が必要不可欠となります。
メンバーは地域のため、自分自身の成長のため、それぞれの思いを持ち、日々いわふね青年会議所の活動を行っています。この活動の根幹を担うのが事務局の役割です。
今年度の事務局は例年よりも少数で運営します。少数だからこそ、より一層力を合わせ効率よく運営していくことが求められます。そのためにやらなければならないことは、事務局内での情報共有の徹底や、メンバーが活動しやすいよう、環境整備や事務処理効率化等を行うことです。
諸会議では、遅延のない案内や報告、資料の事前配信、円滑な会議運営を目指します。メンバーにとって有意義な時間となるよう活発な議論の場、学びの場を提供します。
環境整備では、時代や環境に合わせた運営を行うためリモート会議環境の整備を行い、会場入りができなくても会議が行えるようにします。それにより子育て世代の悩みでもあるJC活動と家族との時間のバランス、すなわちライフワークバランスを保つことで、育LOM環境を整え健全に活動に取り組めるようにします。
近年子育て世代が多く所属する公益社団法人日本青年会議所が主体となり、子育て世代全員が住みやすい社会実現のため、ベビーファースト運動が推進されています。一般社団法人いわふね青年会議所も、私たちの活動するこの地域のため、子育て世代のため、ベビーファースト運動推進に継続的に取り組んでいきます。
地域貢献活動では、「いわふねJCの日」も引き続き行い、地域に目を向け、かかわりを絶やさず必要とされる団体を目指します。
広報活動では、今年度もSNSを活用し私たちがどのような活動を行っているのかを記録や投稿で見て知ってもらえるよう継続的な広報活動を行います。SNSを活用することにより、すでに私たちを知っている方へはさらなる理解や協力が得られ、まだ知らない方へは認知してもらえるように、ネット媒体を活用し情報発信をしていきます。
また全体の活動がわかるような広報誌を発行し、互いを知ることができるよう、内部報で情報共有をしていきます。
最後になりますが、メンバー一人ひとりが互いに成長できる場として、その場をつくる縁の下の力持ちとして今年一年事務局として活動を行っていきたいと思いますし、私であるからこその視点や、目配り気配り、柔軟な対応ができるよう精一杯活動していきます。